【22.Sep.2020 (Tue)】
ドイツ北部の港湾都市ハンブルクのバー「Katze」で、コロナのクラスター感染が発生しました。9月21日の時点で13名の感染が明らかとなり、感染の可能性のある人は約600名に上ります。
接触者追跡
従業員だけでなく、該当する時間帯の利用者の数と連絡先が分かるのは、連絡先の記入が義務付けられているからです。私も、カフェやレストランに行く度、名前、住所、日時、連絡先(TelまたはEmail)を記入しています。
この記録を元に、次のような流れで自治体が接触者を追跡します。
- Aさんのコロナ感染が判明
- Aさんが立ち寄った店をリストアップ
- その店を利用した人をリストアップ
- その人に連絡し、検査、あるいは自宅隔離を要請
飲食店の利用者としては、個人情報をばら撒いているようで、良い気分ではありません。また、突然「コロナ感染の可能性がありますので、検査してください」という連絡が来るのではないかと少々ドキドキしますが、これも慣れました。
偽りの横行
クラスター感染の発生自体は珍しいことではありません。たとえ防止対策をとっていても感染の危険をゼロにすることはできませんし、バーという場所柄、どうしても気が緩み、人の接触が密になりがちです。
このクラスター感染が全国的な話題となったのは、多数の連絡先が虚偽だったからです。ハンブルクの社会課が連絡を取ろうとしたところ、約600名のうち約100名の記入データがデタラメ、あるいは不十分で連絡が取れませんでした。
なかには名前の欄に「ダース・ベイダー」と書いた人も…。
連絡先の記入は義務ですが、身分証を提示するわけではありません。店側も機械的に記入用紙を回収するだけなので、内容が虚偽だとしても本人以外には分かりません。
これは一例ですが、感染防止は、結局のところ個々人の意識の問題なのだと、改めて思いました。