【18 Oct. 2020】

吹き出すフラストレーション
ドイツ北部の港湾都市ハンブルクの歓楽街「レーパーバーン(Reeperbahn)」のバーで、確信犯的な「コロナ感染防止対策違反」が起きました。
現在、ハンブルクでは飲食店・バー・サービス業などの深夜営業が禁止されています(23:00から05:00まで)。ところが「Club 25」は深夜も営業を続け、01:30、通報で駆け付けた警察に客と従業員90名が逮捕されました。
店側が規則を知らなかったはずはなく、客も全員が知らなかったということはあり得ません。店も客も承知の犯行ということになります。
ちなみに店と客には罰金が課されます。店側がどのように関わったのか、つまり主体的に営業を続けたのか、あるいは客の要望があって仕方なかったのか、そのあたりの事情は分かりませんが、店の罰金は5,000ユーロと高額です。それでも営業を続けた感覚とはいかなるものか?
事件の背景にあるのは「コロナ対策疲れ」。あるいは「コロナ対策に対する、若者のフラストレーションの高まり」です。
健康な若者はコロナに感染しても重症化することは稀。「高齢者やハイリスク者の感染拡大のため、若者も我慢しよう!」との考え方を受け入れられない人は、決して少なくありません。
BW州における制限措置強化の内容(19日より適用)
バーデン=ヴュルテンベルク州(BW州)政府は、感染者数の大幅な増加を考慮し、19日(月)から感染予防戦略における段階を最も高い第三段階(危機的段階)へ引き上げることを発表しました。
過去7日間の10万人あたりの新規感染者数(基準値)は、BW州で42.7、バイエルン州で43.8(18日現在、ロベルト・コッホ研究所発表)となっています。
引き上げに伴う制限措置の強化の概要は以下のとおりです。
在ミュンヘン日本国総領事館のメールマガジン(10月18日 第634号)より
1.歩行者が多数行き来する場所、公共施設内部、屋外の公共の場等、制限距離を取ることが困難になりうる場所でのマスク着用義務。
2.私的な集まりは、最大10名又は2世帯までに限る。
3.行事の参加者は100名までに制限。
4.各施設に対しては以下の措置が適用。
(1)病院:入院患者数の増加を想定した集中治療病床数の段階的な確保
(2)救急外来: 特に感染拡大が見受けられる地域におけるコロナ発熱外来及びテストセンターの拡大
(3)電話での診察の拡大
(4)学校: 5学年(日本の小学5年生に相当)以上の生徒の授業中を含むマスク着用義務
(6)学校活動以外での学校施設利用の制限
(7)大学: 着席時も含むマスク着用義務
※過去7日間の10万人あたりの新規感染者数(基準値)の全国地図(ロベルト・コッホ研究所)
※ドイツ国外のリスク地域(ロベルト・コッホ研究所)
(現時点、日本はリスク地域に指定されていません)
※各州における制限措置(ドイツ連邦観光局ウェブサイト)
(州名を選択し、次の画面で「Allgemein」をクリック)
ドイツの感染者数
:感染者 (前日比) / 死亡者 | |
◆ バーデン=ヴュルテンベルク州 | :59,353(+700)/ 1,928 |
◆ バイエルン州 | :78,940(+1,036)/ 2,713 |
◆ ノルトライン=ヴェストファーレン州 | :89,681(+1,477)/ 1,943 |
◆ ドイツ全国 | :361,974 (+5,587)/ 9,777 |
【ロベルト・コッホ研究所発表】の公式データ
(18.Oct.2020, 00:00)
世界の感染者数
:感染者(前日比)/ 死亡者 | |
◆ ドイツ全国 | :366,923(+5,324)/ 9,790 |
【Berliner Morgenpost紙の速報値】
(18.Oct.2020, 21:00)
【注意】
- ロベルト・コッホ研究所は公的機関で、発表されるデータが国の公式データとして扱われます。
- Berliner Morgenpost 紙は、世界のデータを集め「コロナウイルスモニター」として独自の速報値を公表しています。
- コロナウイルスモニターのデータ元:Johns Hopkins University CSSE, WHO, CDC (USA), ECDC (Europa), NHC, DXY (China), Robert-Koch-Institut, Kreis- und Landesgesundheitsämter