【10.Sep.2020 (Thu)】

コロナの影響で冷え切った経済を刺激するため、7月1日から12月31日までの期間限定で、消費税(MwSt.=Mehrwertsteuer)の特別減税が実施されています。
ドイツの消費税率には2種類あります。基本は19%ですが、食料品などは7%です。これが特別減税によりそれぞれ16%、5%となりました。
上の写真は、特別減税開始後に掲示されたドラッグストアの看板です。「消費税の減税に店側のサービスを加え、通常より計3%お買い得」のように書かれています。

通常9.99ユーロの商品を例にして、具体的な価格を表示しています:
- 本来「消費税率19%で9.99ユーロ」の品が
- 「消費税率16%の適用で9.74ユーロ」になり
- これに店独自の値下げを加え「販売価格は9.69ユーロ」!
3,000円の買い物で60円お得
特別減税はもちろんありがたいのですが、日常の買い物での『お買い得感』はほとんどありません。例えばスーパーで夕飯の食材を求めるような場合、値下がり額はごくごくわずかです。

例えば、これは7月3日にスーパーで食料品と日用雑貨を買った際のレシートです。
- A税率(主に食品)=5%(本来は7%)
- B税率(主に雑貨)=16%(本来は19%)
- 合計金額=24.14ユーロ
(現在「1ユーロ=125.4円」なので、3,027円となります)
本来の消費税率で計算してみると、合計金額は24.61ユーロ(3,086円)ですから、差額は0.47ユーロ(59円)です。
約3000円の買い物をして59円お得…。
年間を通せばそこそこの額になりますが、一回の買い物でお買い得感を得るには、ちょっと厳しい額です。
効果は限定的
それでは、高額な耐久消費財の場合はどうでしょう。例えば自動車。
ディーラーの話を聞くと、確かに販売台数は増えていますが「元々、購入を検討していた顧客が主。購入の前倒しが主で、新規の顧客獲得には至っていない」という声が聞かれます。利益の先食いに留まり、長期的な販売増にはつながっていないようです。
ドイツの統計庁がまとめた数字を見ても、消費税の特別減税による顕著な消費拡大は確認されていません(参考記事)。その他の要因の陰に隠れ、目に見えるほどの効果は表れていないのが現状です。
コロナの状況次第となりますが、期待は年末のクリスマス商戦でしょう。
いずれにしろ、消費者心理を刺激し、実感できる拡大効果を求めるなら、もっと大幅な消費税減税が必要です。
ドイツの感染者数
:感染者 (前日比) / 死亡者 | |
◆ バーデン=ヴュルテンベルク州 | :44,396(+278)/ 1,868 |
◆ バイエルン州 | :60,759(+638)/ 2,644 |
◆ ノルトライン=ヴェストファーレン州 | :60,201(+323)/ 1,827 |
◆ ドイツ全国 | :255,366 (+1,892)/ 9,341 |
<死亡率> | :3.7% |
<人口100万人に占める死者数> | :114.6人 |
【ロベルト・コッホ研究所発表】の公式データ
(10.Sep.2020 (Thu), 00:00)
世界の感染者数
:感染者(前日比)/ 死亡者(前日比) | |
◆ ドイツ全国 | :258,149(+1,716)/ 9,345(+3) |
【Berliner Morgenpost紙の速報値】
(10.Sep.2020 (Thu), 20:00)
【注意】
- ロベルト・コッホ研究所は公的機関で、発表されるデータが国の公式データとして扱われます。
- Berliner Morgenpost 紙は、世界のデータを集め「コロナウイルスモニター」として独自の速報値を公表しています。
- コロナウイルスモニターのデータ元:Johns Hopkins University CSSE, WHO, CDC (USA), ECDC (Europa), NHC, DXY (China), Robert-Koch-Institut, Kreis- und Landesgesundheitsämter