競技人口の規模からみればサッカーは世界で一番メジャーなスポーツといえる。またサッカーワールドカップはテレビの視聴者数でオリンピックを上回り、世界最大のスポーツの祭典となっている。
サッカーの盛んな国では他のスポーツにない特別な影響力を持ち、時に社会を反映する鏡にさえなる。24年ぶり4度目の優勝を果たしたドイツについても同様だ。
優勝決定直後のインタビューでDFB(ドイツサッカー連盟)のニールスバッハ会長は「優勝はアマチュアからプロまでサッカー界が協力してきた成果です」とコメントした。
クラブチームには若い選手の育成義務があり、小学生のジュニアチームから高校世代のユースチームまで、資格を有するスタッフが指導にあたっている。人を育てるドイツの良き伝統が息づく部分だ。
さらにサッカーはまちづくりとも深い関係があり、ほぼすべての自治体にクラブチームが存在する。チームは市民団体として(プロチームを除き)非営利で運営され、地元ファンの愛着は深い。小さな村のチームもバイエルンミュンヘンのような世界的強豪チームも、ファンにとっては”我がチーム”の感覚が強く、地域の誇りになっている。…
◆ 松田雅央「ヨーロッパの街角から」『日経研月報』、Vol.434、2014.08.