
環境住宅、あるいは環境共生住宅というコンセプトがある。設計、施工、建築素材、さらには解体時のリサイクルにまで配慮したもので、省エネルギーを突き詰めていることは言うまでもない。
環境住宅地の草分けとして世界的に有名なドイツ・フライブルクのフォボン(Vauban)は、市民参加のプロジェクトとして1998年に工事が始まり、現在5,600名が居住している。ちなみに、60棟の集合住宅はすべてコーポラティブ方式で建設され、棟が違えば外観も全く異なる。
今回は、初期の頃からプロジェクトに参加し、ここに住むアンドレアス・デレスケ氏に話をうかがった。同住宅地の生き字引のような存在で、彼とは20年以上の付き合いになる。…
◆ 松田雅央「ヨーロッパの街角から」『日経研月報』、Vol.519、2021.09.