【コラム】利用者の増加が悩み? ~チューリッヒ交通連盟~

橋の向こう側右手にチューリッヒ中央駅が見える。20億CHFを投じた新線建設(9.6km)のため、駅にはクレーンが林立している、2012.03.16. © Matsuda Masahiro
橋の向こう側右手にチューリッヒ中央駅が見える。20億CHFを投じた新線建設(9.6km)のため、駅にはクレーンが林立している、2012.03.16. © Matsuda Masahiro

スイス地方公共交通の仕組みを理解する際、鍵となるのは交通連盟である。

例えばチューリッヒ交通連盟(ZVV)は管轄区域内の公営交通8機関(スイス鉄道・市営交通・旅客船など)と私営交通43機関(主にバス)を束ねている。

区域の面積は1,839㎢(大阪府とほぼ同じ)、人口は145万(福岡市とほぼ同じ)に及び、利用者は年間5億8千万人。単純に人口で割ると子供から高齢者まで年に400回利用している計算だ。

交通連盟の仕事は、チケットの一括管理と運賃収入の分配、運行ダイヤなどの調整、公共交通全体のマーケティングに大別され、自治体の首長が最高責任者を務める。

運行業務はあくまで各事業者の仕事なので、連盟が車両や駅・停留所を所有・管理・運営することはない。従って事業規模に比べた職員数は少なく、ZVVの場合は約40名で切り盛りしている。…

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◆ 松田雅央「ヨーロッパの街角から」『日経研月報』、Vol.409、2012.07.

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