【コラム】 新しい段階を迎えたドイツのエコ電力買い取り制度

カールスルーエ市エネルギーの丘の発電風車と石炭火力発電所(左奥)、2012.09.30. © Matsuda Masahiro
カールスルーエ市エネルギーの丘の発電風車と石炭火力発電所(左奥)、2012.09.30. © Matsuda Masahiro

日本でもエコ電力の固定価格買い取り制度(フィードインタリフ制度)の本格運用が始まろうとしている。

一方、手本となるドイツの再生可能エネルギー法(EEG)はこの4月に改定され、10MWを超える大型設備が補助対象から外された。また10~1000kWの設備については自家消費を促すため買い取り保証が90%に制限されることになった。いずれも電力料金増加を避けるためソーラー発電にブレーキをかける明確なシグナルだ。

日本ではこれらの方向転換をもって「ドイツのエネルギー政策は行き詰った」とする声もあるが、果たして実態はどうなのか。

フィ制度の骨子はエコ発電を促進するため定額売電を一定期間保証するものである。制度により正確な収支計画を立てられるのが事業者にとって最大のメリット。

例えば今、屋根に10kW以下の小型ソーラーを設置すれば1kWh当り19.5セントでの全量売電が20年間保証される。途中、故障や事故といったリスクはあるが15年内に費用をペイできる計算だ。…

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◆ 松田雅央「ヨーロッパの街角から」『日経研月報』、Vol.410、2012.08.

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