
9月半ば、世界的に知られるドイツのモーターショーIAAがミュンヘンで開催された。120年あまりの歴史を持つIAAは、奇数年にフランクフルトで乗用車部門、偶数年にハノーファーで商用車部門の展示会が開催されてきた。乗用車部門の今年は、展示スタイルの大幅な見直しに伴い、開催地がミュンヘンへと変更になっている。
今、IAAに求められているのは存在意義の見直しだ。端的に書けば、新車発表を主軸とした昔ながらのモーターショーのスタイルは、もはや社会のニーズに合わなくなっている。
また、自動車産業にとってITやAIの重要性が増しており、出展者はIT関連の展示会へ軸足を移す傾向にある。関心の低下と出展者の減少は主催者にとって死活問題だ。…
◆ 松田雅央「ヨーロッパの街角から」『日経研月報』、Vol.521、2021.11.