【記事】松田雅央の時事日想/電気自動車と馬車しか走れない―ある観光都市の交通政策

馬車とEVバス ©Masahiro Matsuda
馬車とEVバス。スイス・ツェルマット ©Masahiro Matsuda

スイス・マッターホルン山麓にあるツェルマットは高級リゾート地として世界にその名を知られている。夏は登山、冬はウィンタースポーツを楽しむ人々でにぎわい、三角錐(さんかくすい)の頂を持つ名峰マッターホルンをはじめとした4000メートル級の山や氷河へ通じる山岳鉄道の基地でもある。

最寄の都市ヴィスプからツェルマットまでは道路も通じているが、主要交通機関は鉄道だ。雪深い土地のため狭い渓谷を縫うようにして走る道路は不便であり、またエンジン自動車の多用は排気ガスによる大気汚染を引き起こしてしまう。

特筆すべきはツェルマットの特異な「EV交通政策」だ。ツェルマット市街地は自治体の条例によりEV(電気自動車)しか走れない決まりになっており、市街地を走るのはEVと観光用の馬車のみ。…

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