東西冷戦の象徴とも言うべきベルリンの壁の崩壊から25年が過ぎた。
1989年当時、東ヨーロッパの民主化と国民の大量出国(亡命)の流れは抑えようがなく、11月9日ついにベルリンの検問所が解放され、同時に東ドイツの崩壊も秒読みに入った。東ドイツに浮かぶ陸の孤島として西ベルリンを取り囲んでいた壁の長さは160キロに及ぶ。壁によじ登りハンマーを振り上げて壁を叩き壊す市民の姿はあまりにも有名だ。
ベルリンでは記念日に合わせて行事が催され、メルケル首相、ガウク大統領、そして多くの市民が壁の崩壊25周年を祝うために集まった。…
◆ 松田雅央「ヨーロッパの街角から」『日経研月報』、Vol.438、2014.12.