3月8日(月)から、全国的にロックダウンが一部緩和されました。これまで食料品店や薬局以外などの一部小売店を除き、ショッピングは全面禁止でしたが、それが条件付きで可能になりました。ただし、その条件が複雑です。
ドイツでは、ロックダウンの緩和や強化を決める指標の一つとして、「7日間-感染率(7-Tage-Inzidenz: 過去7日間の10万人あたりの新規感染者数 )」が用いられています。基準値が低くなれば感染は縮小傾向にあり、逆に高くなれば拡大傾向にあることを示します。
「7日間-感染率」の計算方法
- 例えば、ある地域で過去7日間に「500人」の新規感染者が出たとする。
- その地域の人口が30万人であれば、人口割合は「30万/10万=3」。
- 7日間-感染率は500/3=167
目安は50
7日間-感染率 で特に重要な目安は50です。
50を下回れば、飲食店や小売店、博物館などの公共施設も通常通り営業することができます。(ただし、売り場面積に合わせた十条制限、マスクの着用義務などの感染防止対策は引き続き必要)
50以上100未満であれば「予約ショッピング」のように対策が強化されます。そして「3日連続で100を超える」と、「急ブレーキ」つまり、再びロックダウンになります。
詳細は州によって異なるのですが、私が住むバーデン=ヴュルテンベルク州であれば、以下の図のよう決められています。
予約ショッピング
さて、「予約ショッピング」とは何か。
7日間-感染率が50以上100未満の場合、小売店は営業可能ですが、客は「何月何日の何時に来店する」という事前の申し込みが必要です。
建前はそうなのですが、実際は客が少ない時間帯であれば予約なしでも入店できるところが大半です。「入店待ちの列ができにくい」というメリットがあり、待ち時間なしで入店したい人にとっては便利な仕組みでしょう。
しかしながら、店にとっても顧客にとっても、なかなか面倒な話です。
※過去7日間の10万人あたりの新規感染者数(7日間-感染率 )の全国地図
(ロベルト・コッホ研究所)
※各州における制限措置(ドイツ連邦観光局ウェブサイト)
(州名を選択し、次の画面で「Allgemein」をクリック)
ドイツの感染者数
感染者数(前日比) / 死亡者数 |
2,518,591 (+9,146)/ 72,489 |
- 【ロベルト・コッホ研究所発表】の公式データ (10.March.2021, 00:00)
- ロベルト・コッホ研究所は公的機関で、発表されるデータが国の公式データとして扱われます。