2021年1月下旬、私が住むバーデン=ヴュルテンベルク州の社会・統合省(Ministerium für Soziales und Integration Baden-Württemberg)から、ワクチン接種に関するお知らせの手紙が届きました。(州が作成したワクチン接種に関するビデオ)
州内の全住民に送られたもので、この先どのようにワクチン接種を進めてゆくのか、その見通しを説明するものです。
- 2020年12月27日から、ワクチン接種を開始したことの告知。
- 接種を受ける人の優先順位。
- 質問の連絡先。
ワクチン接種は、州の住人をカテゴリー(グループ)に分け、フェーズ1~4まで優先段階を決めて行われています。このブログを書いている2021年3月5日はフェーズ2の途中です。
◆ フェーズ1の対象者
まず、優先されるのは以下の人たちです。
- 80歳以上の人
- 介護施設の入所者と職員
- 感染の危険性が特に高い部門の医療関係者
大きな事業所であれば、事業者がまとめて申し込みや手続きを行うこともあるでしょうが、その他の人は自分や身内・知り合いが問合せ先に電話やメールで申し込むことになります。
◆ フェーズ2の対象者
- 70歳以上の人
- ダウン症、認知症の人
- 精神疾患のある人、臓器移植を受けた人、特に危険性が高いと判断された患者
- 要介護者や妊婦に接する人
- 医療、介護、救急医療、公衆衛生などの分野で、感染の危険性が高い部門の従事者
- 路上生活者や難民を受け入れる施設の従事者
- 警察や治安分野で感染の危険性が高い部門の従事者(デモの規制に携わる人など)
- 幼稚園、保育園、小学校、養護学校の従事者
アルバイトで救急隊員をしている知り合いは、2月26日に1回目のワクチン接種を受けました。また、教師をしている知り合いは、3月11日にワクチン接種の予約をしたと言っていました。
◆ フェーズ3の対象者
- 60歳以上の人
- 特定の病気にかかっている人(肥満症、慢性腎臓病、肝臓病、など)
- 感染の危険性が比較的低い部門の医療従事者
- 公共部門の従事者(警察、役所、災害救助部門、外国人に対応する部門、など)
- インフラ部門の従事者(薬剤関係、公共交通、廃棄物処理、食品供給、通信部門、など)
- 学校や青少年福祉の従事者
◆ フェーズ4の対象者
- その他、すべての人
接種会場
ワクチン接種の会場としてよく使われているのがメッセ会場です。
中規模のメッセは全国各地にあり、コロナの影響で本来の目的では使われていません。大人数を収容でき、駐車場が整備され、公共交通の便も良いなど、接種会場に適した条件を備えています。

接種率は約6%

ロベルト・コッホ研究所発表の資料によれば、3月4日現在、全国で延べ708万人(1回目と2回目の接種の合計)がワクチンの接種を受けています(上図)。3月4日であれば、約170万人が1回目、訳60万人が2回目の接種を受けてました。

こちらの図はワクチン接種を受けた人の割合です(1回目が水色、2回目が青)。1回目の人がほぼ6%に達していることが分かります。
ワクチン製造メーカーの割合
気になるのが、ワクチンの安全性。上の図はドイツ医療新聞(Ärzte Zeitung online)がワクチンの割合をメーカー別にまとめたものです。
これによればBioNtechのワクチンが全体の約6割を占めています。安全性が特に懸念されているAstraZenecaのワクチンはそれに比べるとかなり少数です。
※過去7日間の10万人あたりの新規感染者数(基準値)の全国地図
(ロベルト・コッホ研究所)
※各州における制限措置(ドイツ連邦観光局ウェブサイト)
(州名を選択し、次の画面で「Allgemein」をクリック)
ドイツの感染者数
感染者数(前日比) / 死亡者数 |
2,482,522 (+10,580)/ 71,504 |
- 【ロベルト・コッホ研究所発表】の公式データ (05.March.2021, 00:00)
- ロベルト・コッホ研究所は公的機関で、発表されるデータが国の公式データとして扱われます。