【記事】<オルタナ> 独「脱炭素」貫く水素・メタンも緑化(グリーン化)

ドイツ南部の農村地帯に林立する発電用風車(©Masahiro Matsuda)
ドイツ南部の農村地帯に林立する発電用風車(©Masahiro Matsuda)

サステナブル・ビジネスマガジン「オルタナ69号(2022年6月30日発売)」「独『脱炭素』貫く水素・メタンも緑グリーン化」を寄稿しました。

 再生可能エネルギー由来の電力、いわゆるエコ電力の割合が45%に達したドイツで、余剰電力と送電能力不足の問題が顕在化している。その解決策として有望視されるのが、エコ電力によるグリーン水素(H2)の製造と、グリーンメタン(CH4)の合成である。本稿では、Power-to-Gas(P2G)と総称されるこれらのコンセプトが持つポテンシャルを探ってみたい。

 加速するエコ電力開発:2022年5月18日、デンマークで開かれた北海サミットで、ドイツ、オランダ、ベルギーを加えた4国首脳が、洋上風力発電を加速するための覚書に調印した。現在の発電能力を2030年までに4倍(65GW)、2050年までに10倍(150GW)へと増設する意欲的な計画だ。エネルギー分野における協働を象徴する話であり、実現すればヨーロッパ最大級の発電地域が生まれる。ドイツのエコ電力は風力が主軸で、国内発電量に占める割合は24%、これに太陽光の9%を加えると33%になる。問題は両者とも天候任せで、発電量を需要に合わせるのが難しいことだ。…

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