
再生可能エネルギー(再エネ)由来の電力、いわゆるエコ電力の割合が45%を超えたドイツ。今、顕在化しているのは、余剰エコ電力の貯蔵問題だ。
有望視されているのが、水を電気分解して水素(グリーン水素)を製造し、それを貯蔵・利用する手法。そこからさらにメタン(グリーンメタン)を合成すれば、天然ガスと同じように利用することができる。これらの仕組みはPower-to-Gas(P2G)と呼ばれ将来のガス供給を担うと期待されるが、現状ではコストが高く、インフラ整備もこれからという段階だ。
気候変動防止とCO2排出削減、再エネの開発、さらにはウクライナ紛争によるガス供給危機など、さまざまな事情を背景にしながらP2Gの開発は進められている。…
◆ 松田雅央「ヨーロッパの街角から」『日経研月報』、Vol.531、2022.09.