【3月29日(日)の出来事】
❚ ドイツの医療崩壊はないとの見通し
ドイツの薬局。感染予防に関する注意書きが置かれている © Matsuda Masahiro
幸いなことに、ドイツの新型コロナウイルスによる死者は比較的少数です。人口100万人当たりで計算すると、イタリア136人に対しドイツ5人。ちなみに日本は0.4人とさらに低く抑えられています。
ドイツのロベルト・コッホ研究所長によると、その要因として考えられるのは「若年層の感染割合が高い」「より早い時期から対策をとってきた」ことです。イタリアやスペインは医療崩壊に直面し、重篤患者の受け入れキャパシティーを超えていますが、今後予想されるシナリオにおいて、ドイツが同様の危機に直面することはないとの見通しです。
❚ もうすぐ直接給付が始まります
明日30日(月)から、個人事業者と中小企業向けの現金給付が始まります。アルトマイヤー経済相によれば、その総額は500億ユーロに上り、すでに36万件の給付申請がされてます。「困窮する事業者が少なくとも3か月生き残る」。この目的に足る給付がされるかどうか注目が集まります。
ドイツ国内では、近いうちに感染者の爆発的増加が収まり、これからは経済正常化への対応が重要になる、との意見も出始めています。しかしながら、コロナ感染が最も深刻なNWR州のアーミット・ラシェット知事は、コロナ終息を想定するのは早すぎると、楽観論に警鐘を鳴らしています。
メルケル首相もまた、4月19日まで外出制限を含めた現在の感染対策を緩めることはないと明言しています。経済正常化の道筋を検討することは大切ですが、それは当分先(具体的には1ヵ月以上先?)の話となりそうです。
❚ ドイツの感染者数(前日比)/ 死亡者数(前日比)
⇒ ロベルト・コッホ研究所発表 (2020年3月29日(日)00:00現在、08:45発表)
◆ バーデン=ヴュルテンベルク州
:9,794 (+13)/ 101(+0) (注:未報告)
◆ バイエルン州
:12,881 (+1,731)/ 107(+30)
◆ ノルトライン=ヴェストファーレン州
:11,400 (+793)/ 98(+18)
◆ ドイツ全国
:52,547 (+3,965)/ 389(+64)
*感染者数の増加スピードは高止まり。
*死亡者数の増加スピードは高止まり。
*死亡率(感染者数に占める死亡者数の割合)は0.74%。
*人口100万人に占める死者数は 4.6人。
❚ 世界の感染者数 / 回復者数 / 死亡者数
⇒ Berliner Morgenpost紙の速報値 (2020年3月29日(日)16:00現在)
◆ ドイツ全国
:57,609 / 9,211 / 443

- データ元:Johns Hopkins University CSSE, WHO, CDC (USA), ECDC (Europa), NHC, DXY (China), Robert-Koch-Institut, Kreis- und Landesgesundheitsämter
- 上記リンクをクリックすると最新の「コロナウイルスモニター」が表示されます。
- ドイツ語ですが、感覚的な操作でドイツ、世界各国のデータを調べることができます。
【注意】
- 感染者数に関するデータは、統計を取る機関によってバラツキがあります。感染拡大スピードが速く、数時間で値が変化するからです。またどのようにデータを集めるかによっても違いが生じます。
- ① ロベルト・コッホ研究所は公的機関で、発表されるデータが国の公式データとして扱われます。
- ② Berliner Morgenpost 紙は、世界のデータを集め「コロナウイルスモニター」として独自の速報値を公表しています。
- データ集計の性格上、この2者の値が同じになるとは限りません。