
狩猟と生息地の減少により、ドイツのオオカミは19世紀半ばに絶滅した。しかし今、東ヨーロッパに生息する個体がドイツへ渡り、再び生息地を広げている。野生動物の復活は自然環境の改善を意味し、ヨーロッパ諸国は1970年代から積極的にオオカミの保護に取り組んできた。
一方、オオカミが帰ってきた地域では、羊やヤギなど牧畜の被害が急増している。昔に比べ、生息適地は減っており、人間社会との軋轢は避けられない。果たして、野生動物との共存は可能なのだろうか?
今回は、オオカミ、ヒグマ、オオヤマネコなどの保護に取り組むNPO、Alternative Wolf- and Bearpark が黒い森地方で運営する施設の取材をもとに、この問題を考えてみたい。…
◆ 松田雅央「ヨーロッパの街角から」『日経研月報』、Vol.542、2024.02.

