【4月7日(火)の出来事】

プログラムの実施主体は「バーデン=ヴュルテンベルク州経済・労働・住宅建設省」。これに審査を担当する「州の商工会議所」と「州の手工業者組合」、給付金の振り込みを実施する「州立銀行」のロゴが描かれている
本日7日「コロナ緊急支援プログラム」の現金給付が一斉に始まりました(複数の入金を確認)。(プログラムの詳細についてはこちらをご覧ください)
私の住むバーデン=ヴュルテンベルク州では、3月25日に申請受け付けを開始し、24万件以上の申請を処理、そして4月6日に給付を開始するという超高速対応でした。
わずか10日余りでこれだけの業務をこなしたスピードには驚愕します。3月11日のWHOによるパンデミック宣言を起点としても、わずか1ヵ月弱で給付金が事業者のもとへ届いたことになります。
審査と給付の現状
以下、4月6日のバーデン=ヴュルテンベルク州の発表から、審査と給付の現状をまとめてみました。
◆ 6日までに受け付けた申請の数:244,726件
◆ 申請の審査を終え、州立銀行へ給付金振り込みを依頼した件数:155,000件
◆ 給付実施件数:92,000件
◆ 給付実施総額:9億700万ユーロ(≒1,060億円)
*1件当たりの給付額は平均約9,860ユーロ(≒115万円)です。
*バーデン=ヴュルテンベルク州の人口は国全体の約1/8です。この割合から計算すると、ドイツ全体でおよそ200万件の申請がなされ、わずか10日間で総額約73憶ユーロ(≒8,500憶円)が給付されたことになります。
*国が想定する最終的な申請件数は約300万、確保されている予算の総額は500億ユーロ(≒5.9兆円)です。今のところ予算には余裕があります。
◆ 不備があり差し戻された申請の数:約81,000件(約1/3)
*差し戻しの理由は「申請書の記入ミス」「添付書類の不備」「申請条件を満たしていない」「予想される損失がコロナによるものと認められない」、あるいは「不正請求」などが考えられます。
*かなりのスピードで処理されましたが、審査のポイントは抑えているということでしょう。
州の独自プログラムと統合
「コロナ緊急支援プログラム」は国が定めた支援策で、給付金額や中小企業のカテゴリー分けなど給付条件は基本的に全国一律です。
実は、バーデン=ヴュルテンベルク州をはじめとする幾つかの州では、これに先立ち州独自のプログラムを開始しています。まず州が具体的な支援を始め、国がそれを後追いした形です。
州の独自プログラムは「コロナ緊急支援プログラム」に統合されています。
ホッと一息
自転車操業の個人事業者と中小企業は少なくありません。
各種情報によると、今回のように仕事が完全にストップすると「1~3ヶ月で破綻する」という事業者が多いようです。
知り合いの個人事業者は「6か月は耐えられる」と言っていましたが、それだけ持ち堪えられるのは、あくまで少数です。今回の給付で、極めて多くの事業者が(とりあえず)破綻を免れるはずです。
幸いなことに、ドイツでも各種コロナ規制の緩和が政治の議題に上り始めています。具体的には飲食店や小売店などの営業禁止から段階的に緩和されそうです。
いずれにしろ、緩和実施は20日以降の話ですが…。
ドイツの感染者数(前日比)/ 死亡者数(前日比)
◆ バーデン=ヴュルテンベルク州
:20,141 (+746)/ 433(+46)
◆ バイエルン州
:26,163 (+1,189)/ 481(+44)
◆ ノルトライン=ヴェストファーレン州
:20,220 (+836)/ 282(+27)
◆ ドイツ全国
:99,225 (+3,834)/ 1,607(+173)
- 【ロベルト・コッホ研究所発表】の公式データ
(2020年4月7日(火)00:00現在、08:00発表) - 感染者数の増加スピードは一進一退。
- 死亡者数の増加スピードは依然高止まり。
- 死亡率(感染者数に占める死亡者数の割合)は1.6%。
- 人口100万人に占める死者数は 19.1人。
世界の感染者数 / 回復者数 / 死亡者数
◆ ドイツ全国
:105,604 / 38,287 / 1,905

- 【 Berliner Morgenpost紙の速報値】
(2020年4月7日(火)19:00現在) - データ元:Johns Hopkins University CSSE, WHO, CDC (USA), ECDC (Europa), NHC, DXY (China), Robert-Koch-Institut, Kreis- und Landesgesundheitsämter
- 上記リンクをクリックすると最新の「コロナウイルスモニター」が表示されます。
- 感覚的な操作でドイツ、世界各国のデータを調べることができます。
【注意】
- 感染者数に関するデータは、統計を取る機関によってバラツキがあります。感染拡大スピードが速く、値が刻々と変化するからです。またデータの集計方法によっても違いが生じます。
- ① ロベルト・コッホ研究所は公的機関で、発表されるデータが国の公式データとして扱われます。
- ② Berliner Morgenpost 紙は、世界のデータを集め「コロナウイルスモニター」として独自の速報値を公表しています。
- データ集計の性格上、この2者の値が同じになるとは限りません。