イギリスが国民投票でEU離脱を選択してから早や1ヶ月。その直後に起きた世界の混乱は、まさにパニックと呼べるものだった。冷却期間をおいた今、やっと皆が落ち着いてブレグジット問題を考えられるようになったのではないだろうか。
正直なところ、6月23日の投票以前、私は残留派が勝つと思っていた。メディアの予想で優位だったこともあるが、結局は多くの人が経済を優先し、理性的に投票すると思ったからだ。しかし、これは私の住むドイツから見た希望的観測に過ぎなかったようだ。…
◆ 松田雅央「ヨーロッパの街角から」『日経研月報』、Vol.458、2016.08.、日本経済研究所