健康、教育、生活環境、貧困。開発途上国と呼ばれる国に住む人々は、その多くが今なお過酷な生活を強いられている。
世界銀行報告書によれば2004年時点で世界の推定9億8,500万人(割合にして18.4%)が1日1ドル未満で生活する最貧困にあり、2ドル以下で生活する貧困層ならば途上国人口の半分、およそ26億人に達する。また低所得国における5歳未満児の死亡率が先進国の15倍という事実も問題の深刻さを 示している。それに対してEUは、例えば2001年から2004年までの間に途上国向けに28億ユーロを援助し、2003年だけで合計121の新プロジェクトを開始した 。…
◆ 松田雅央「EUレポート(第10回)」『日経研月報』, 第354号, p38-44, 2008.10.