各種指標によると欧州経済は徐々に勢いをつけ始めているが、失業率(5月)に目を向ければユーロ圏は12.2%、債務危機に見舞われたスペインは26.9%、若年層にいたってはそれぞれ23.9%、56.5%と状況は依然厳しい。
一方、欧州経済を牽引するドイツの失業率は5.3%、若年層は7.6%とその差は歴然だ。この違いは単なる経済状況だけでなく、就労支援の質の違いにも起因するのではないだろうか。
知り合いの芸術家の場合。画家の収入だけでは暮らせないため、現在、就労支援とセットになった生活保護を受け公共職業安定所に通っている。そもそも自由業だし、外国人であるという特別な条件も加わるが、彼を例にしてドイツの就労支援の一端を探ってみたい。…
◆ 松田雅央「ヨーロッパの街角から」『日経研月報』、Vol.423、2013.09.